「なんとなくイライラする」「気分が沈む」「やる気が出ない」……そんなとき、「なんとかしなきゃ」と焦るほど、余計に心がしんどくなることはありませんか?
特定保健指導では、食事や運動の見直しに取り組む方が多いですが、実はその行動の土台となるのが「ストレスとの付き合い方」です。心の状態が整うと、自然と生活習慣も整いやすくなります。
「できない」のは意志が弱いからではありません
ストレスがたまっている時ほど、「わかってはいるけれど、どうしてもできない」という状態が起きやすくなります。これは意志の弱さではなく、ストレスホルモン(コルチゾール)の影響です。
ストレスを感じると、脳はエネルギーを蓄えようとして高カロリーなものを欲したり、内臓脂肪を溜め込みやすくしたりする指令を出します。間食が増えるのは、体が心を守ろうとしている自然な生体反応なのです。
だからこそ、食事や運動を頑張るのと同じくらい、「ストレスを溜めすぎないこと」「ストレスを上手に逃がすこと」が、数値を改善するための近道になります。
ストレスを「なくす」より「少しずつ出す」
ストレスのケアのコツは、「ストレスをゼロにすること」ではなく、溜まったストレスをこまめに排出するスキル(コーピング)を身につけることです。
頭の中の「モヤモヤ」を書き出す
考えすぎて止まらないときは、紙やスマホのメモに今の感情をそのまま書き出してみてください。一度「頭の外に出す」のが有効です。頭の中の「モヤモヤ」を可視化するだけで、脳のメモリの負荷が減り、驚くほど気持ちが整理されます。
5分だけ体を動かす
スクワットや散歩など、一定のリズムで体を動かすと、脳からセロトニン(幸せホルモン)が分泌されます。好きな曲1曲分だけ歩く、階段を使うといった小さな動きでも、十分メンタルケアの効果があります。
「完璧主義」をお休みする
頑張り屋の方ほど、「計画通りにリフレッシュしなきゃ」という思いが強くなり、それが新たなストレスを生んでしまうことがあります。
「そういう日もある」と受け流す
お菓子を食べてしまった、運動できなかった。そんな日があっても、自分を責めるのではなく、「今日はエネルギーを充電する日だった」と受け流しましょう。
ハードルを思い切り下げる
気負って行動する必要はありません。コーヒーの香りをかぐ、数分だけ外の空気を吸う。そんな小さなアクションも立派なリフレッシュになります。
自分の「パターン」を知って、早めに整える
ストレスを感じやすいタイミングには、人それぞれパターンがあります。「月末の繁忙期」「雨の日」「睡眠不足の翌日」など、自分がどんなときにストレスを感じ、食生活が乱れやすいかについて傾向を知っておきましょう。
ストレスがたまってから一気に立て直すのではなく、「ストレスがたまってきた」と早めに気づけるようになれば、ドカ食いをする前に、お風呂にゆっくり浸かってリラックスしてみるなどの対策が取れます。この「早期発見・早期対処」が、結果として体重や血糖値の安定につながります。
ひとりで抱え込まないようにしましょう
そしてもうひとつ大切なのが、「ひとりで抱えすぎないこと」です。
特定保健指導の面談は、数値の報告をするだけの場ではありません。面談やフォローの機会がある方は、「忙しくて全然できなかった」「今はどうしてもやる気になれない」といった正直な気持ちもぜひ共有してください。それも含めて一緒に考え、サポートしていくのが特定保健指導の役割です。
ストレスが強いときほど、面談で話したことを思い出してみるだけでも、「少しだけやってみようかな」というきっかけになることがあります。ストレスとの付き合い方に正解はありません。人によって合う方法も違います。
「これならできそう」「これなら少し気が楽になる」
そんな小さなセルフケアをひとつ持っておくだけで、心も体もぐっと楽になります。まずは今日の自分を、少しだけいたわることから始めてみませんか。