Q. メタボリックシンドロームってどんな状態ですか?
お腹まわりの脂肪(内臓脂肪)がたまり、さらに血圧・血糖・脂質などの値が基準値を超えている状態を「メタボリックシンドローム」と呼びます。
一つひとつの数値は「少し高い」程度でも。重なることで心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの病気を引き起こすリスクが高まってしまいます。
Q. どうしてメタボリックシンドロームになるのですか?
主な原因は、食べすぎや運動不足、加齢、体質、遺伝などです。生活習慣全体が関係しているため、特定の一つだけを変えても十分ではありません。
摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る生活習慣で、内臓脂肪が増えると、血圧を上げたり血糖値をコントロールしにくくしたりする物質が分泌され、血圧が上がりやすくなり、血糖や脂質のバランスも崩れやすくなります。
Q. どんな人がなりやすいのですか?
お腹まわりに脂肪がついている方や、不規則な生活が続いている方に多く見られます。 特に「最近ベルトがきつくなった」と感じる方や、運動不足・外食が多い方は注意が必要です。
また、既に高血圧や血糖値について数値を指摘されている場合は、さらにリスクが高まります。一見やせている方でも、内臓脂肪だけが多い「隠れメタボ」のケースもあるため、油断は禁物です。
Q. 自覚症状はありますか?
A. 初期症状はほとんどありません。
メタボリックシンドロームそのもので痛みや苦しさを感じることは稀です。見た目や体調に変化が少なくても、血圧・血糖・脂質の数値に異常が出て、動脈硬化が進行していることがあります。そのため、健康診断での数値の確認が非常に重要です。
Q. 健康診断ではどう判定されるの?
健康診断では、「腹囲」をベースに、3つの基準を確認してメタボリックシンドロームかどうかを判断します。
一般的な基準(協会けんぽ・厚労省など)の場合、以下のステップで判定されます。
- 腹囲をチェック(お腹まわりの内臓脂肪の目安)
- 男性:85cm以上
- 女性:90cm以上
- 血圧・血糖・脂質のうちどれか一つでも基準値を上回るかどうかを確認
- 血圧: 収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上
- 血糖: 空腹時血糖110mg/dL以上
- 脂質: 中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満
- 上記の組み合わせ
- 1の腹囲に加え、2の項目のうち2つ以上当てはまると、メタボリックシンドロームと判定されます。
※判定基準の数値は、加入している医療保険やガイドラインにより若干異なる場合があります。
Q. 内臓脂肪はどうやって測るのですか?
CTスキャンなどで正確に測る場合もありますが、日常的には「腹囲(ウエスト周囲長)」で簡易的に推定します。お腹まわりの脂肪が多いほど、内臓脂肪が増えている可能性が高いと考えられます。
Q. 放っておくとどうなりますか?
放置すると、動脈硬化が進みやすくなり、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの重大な病気のリスクが高まります。メタボリックシンドロームの段階で早めに生活習慣を整えることで、将来的な病気の予防につながります。
Q. どんな治療をするのですか?
基本は生活習慣の改善です。食事内容の見直し、運動の習慣化、適正な体重管理が中心となります。必要に応じて、血圧や血糖、脂質などの数値を整える薬を使うこともありますが、あくまで補助的なものです。薬だけで改善するのではなく、生活全体を整えることが大切です。
Q. どれくらい改善すればいいのですか?
お腹まわりの内蔵脂肪を少し減らすだけでも、血圧・血糖・脂質の改善につながるといわれています。まずは「現在の体重の3%」を3〜6ヶ月かけて減らすことを目指しましょう(70kgの人なら約2kg)。体重を大きく減らすことよりも、無理のない範囲で少しずつ続けることが大切です。
Q. 予防・改善するにはどうしたらいいですか?
基本は食事のバランスを整えること、運動習慣を取り入れること、体重を適正に保つことです。
- 食事の工夫
- 最初にサラダや味噌汁の具(野菜)を食べ、血糖値の急上昇を抑える(ベジタブルファースト)。
- 夕食は寝る3時間前までに食べ終える。難しい場合は、夕食の炭水化物を半分にする。
- 運動の工夫
- 今より毎日10分多く動く(歩く、掃除するなど)。
- 10分のウォーキングを1日3回行うだけでも、30分連続歩行と同等の脂肪燃焼効果に。
- 意識の工夫
- 毎日決まった時間に体重を測り、スマホアプリや手帳に記録する「グラフ化体重管理」を行う。
特に「食べすぎないこと」と「動く時間を増やすこと」を意識することが重要です。最初から高いハードルを課すと長続きしません。「これなら毎日できる」という小さな工夫を無理なく続けることが、結果的に改善につながります。