Q. 心筋梗塞と狭心症はどんな病気ですか?どう違うのですか?
どちらも心臓に酸素を送る血管(冠動脈)が狭くなったり詰まったりすることで起こる病気です。「詰まり具合」に違いがあります。
- 狭心症
- 血管が狭くなり、一時的に血流が不足する状態。しばらくすると症状が落ち着くことが多いです。
- 心筋梗塞
- 血管が完全に詰まり、その先の心筋が壊死(死滅)してしまう状態。血液が滞るため、心臓の筋肉がダメージを受けてしまいます。
狭心症は「心筋梗塞の前触れ」として現れることもあるため、放置しないことが肝心です。
Q. どんな人がなりやすいのでしょうか?
主な原因は動脈硬化です。以下のリスクが重なるほど、発症の危険が高まります。
- 生活習慣病の放置
- 高血圧(130/80mmHg以上)、脂質異常(悪玉コレステロール過多)、糖尿病。
- 生活習慣
- 喫煙、1日30分未満の運動不足、塩分・脂質の摂りすぎ。
- 環境
- 過度なストレス、急激な寒暖差(冬場のヒートショック)、睡眠不足による自律神経の乱れ。
Q. どのような症状に気をつければいいですか?
「胸の痛み」の持続時間が、判断の大きな目安になります。狭心症の場合は締め付けられるような痛みが3〜5分(長くても15分以内)続き、安静にすると治まります。心筋梗塞では20分以上激しい痛みが続いたり、どんどん強くなったりすることがあります。
- 胸の違和感
- 締め付けられるような圧迫感、重苦しさ
- 放散痛
- 肩・腕・背中・あご・歯の浮くような痛み、みぞおちの違和感
- その他のサイン
- 冷や汗、吐き気、息苦しさ
「「おかしい」と感じて20分以上治まらない場合は、迷わず救急車(119番)を呼んでください。
Q. もし発症したら、どのような治療をするのですか?
基本的には、詰まったり狭くなったりした血流を再開させる治療を行います。
- カテーテル治療(PCI)
- 手首や足の付け根から血管の中に細い管を入れ、風船や「ステント」という網状の筒で内側から血管を広げ、固定します。
- バイパス手術
- 詰まった部分を避け、体の他の部位の血管をつなげ、血液の「迂回路」を作る手術です。
- 薬物療法
- 血栓を作らせない薬(血液をサラサラにする薬)や、心臓の負担を減らす薬を使用します。
Q. 一度なったら、もう元の生活には戻れませんか?
早期発見・治療ができれば、多くの人が職場復帰や趣味の再開を果たしています。
心筋梗塞でダメージを受けた心臓の筋肉は完全には戻りませんが、「今の状態を維持し、悪化させないこと」で、治療や生活習慣の見直しをしながら安定した生活を送ることは可能です。
狭心症の場合は、適切な治療やコントロールによって症状を抑えながらこれまで通りの生活を過ごせます。
Q. 発症したら薬はずっと飲み続けなければならないのでしょうか?
再発を防ぎ、心臓の負担を軽くするために、長期的にお薬を継続するケースがほとんどです。特にカテーテル治療でステントを入れた場合、ステント内で血が固まるのを防ぐ薬は、命を守るために不可欠です。
「一生飲み続ける」と考えると不安かもしれませんが、状態に応じて調整されます。薬は「体を守るための頼もしいパートナー」です。自己判断でやめることなく、医師と相談しながら上手に付き合っていきましょう。
Q. これから何を心がければ予防できますか?
特別なことではなく、日々の積み重ねが一番の予防策です。無理なく続けられることから少しずつ取り入れていくことが、将来のリスクを下げることにつながります。
- 数値のコントロール
- 血圧は、家庭血圧で135/85mmHg未満を目指す。
- 食事
- 減塩(1日6g未満)を意識し、野菜から先に食べる「ベジファースト」で血糖値の急上昇を抑える。
- 禁煙
- 自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来の受診を検討する。
- 適度な運動
- 1日30分、週3回以上のウォーキング(やや息が弾む程度)を習慣にする。