運動不足は、2型糖尿病の発症や悪化の大きな要因です。
運動をしないと、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が効きにくくなる(=インスリン感受性の低下)だけでなく、筋肉量が減って糖を消費する力が弱まってしまいます。
高血糖が続くのを防ぐために、「運動習慣を作る」「活動量のアップ」「筋肉量の維持」の3つを意識しましょう!
まずは「+10分」から始めよう
いきなり高い目標を立てる必要はありません。まずは今の生活に「プラス10分」の動きを加えることからスタートです。
- エレベーターではなく階段を使う
- テレビのCM中に足踏みをする
- 少し遠くのコンビニまで歩いてみる
- 一駅分歩く
「ちりも積もれば山となる」の言葉通り、わずかな動きの積み重ねが、血管を糖のダメージから守る強い味方になってくれます。
効率よく糖を消費する「有酸素運動」
有酸素運動は、血液中の糖をエネルギーとして直接消費してくれます。ウォーキング、ジョギング、階段昇降などの「全身運動」がおすすめです。膝に不安がある方には、浮力で負担が軽くなる水中ウォーキングが安心です。
- 頻度のコツ
- 週3回以上を目標にしましょう。運動による血糖改善効果は約48時間持続するので、効果を切らさないために「中2日以上空けない」ことがポイントです。
- 強度の目安
- 運動の強さは「隣の人と笑顔で会話できる」くらいで、「楽である〜ややきつい」と感じる程度、「歌うのは少し苦しい」くらいのペースがベストです。負荷の強すぎる運動は一時的に血糖値を上げてしまうことがあります。
筋肉は「糖を溜める貯蔵庫」!下半身を鍛えよう
筋肉は糖を取り込む「最大の貯蔵庫」です。特に大きな筋肉が集中している下半身を鍛えると、糖の消費効率がぐんと上がります。自体重でできるスクワットやかかとの上げ下げがおすすめです。
【スクワット】
1.椅子の座面の前に立ち、足を肩幅に開きます。つま先と膝を少し外に向け、胸を張った良い姿勢で立ちます。
2.息を吸いながら、6秒かけて腰を下ろします。この時、お尻は座面に軽くつく程度まで下げ、つま先より前に膝が出ないように意識してください。
3.息を吐きながら2秒かけて立ち上がります。
目安は10回を1セットとして、1日2〜3セットです。
【かかとの上げ下げ】
1.足を肩幅に開き、背筋を伸ばして立ちます。
2.3秒かけてゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになります。
3.一番上で1秒キープします。
4.3秒かけてゆっくりとかかとを下ろします。
かかとを床に完全につけず、数センチ浮かせた状態で繰り返すと負荷が高まり効果的です。15〜20回を1セットとし、1日2〜3セットを目安にします。
膝に痛みがある場合には、椅子に座ったままで「足を浮かせて上下させる」「太ももにボールを挟んで内側にギュッとはさむ」だけでも、しっかりと筋肉を刺激できます。
タイミングが命!「食後30〜60分」に動く
血糖値がピークを迎えるのは、食事の30~60分後です。この時に体を動かすことで、血液中の糖が速やかに筋肉に取り込まれ、血糖値の急上昇を効率よく抑えられます。
- 「すぐ座らない、横にならない」が鉄則
- 本格的な運動でなくても、食後の食器の後片付けや入浴、少し長めに家の中を歩くだけでも大きな違いが出ます。
無理のない「継続」が、一生モノの健康をつくる
血糖値をコントロールする鍵は、食後の「ちょい動かし」と、下半身の筋肉の維持にあります。まずは1日10分の散歩やスクワットなど、できる範囲で、短時間でも毎日「動く」ことを習慣にするのが大切です。
「階段を使う」「食後すぐに座らない」といった小さな工夫の積み重ねが、将来の健康を大きく左右します。楽しみながら心地よい運動習慣を続けていきましょう。